CITY A.M. 「ロンドンで最も読まれている金融・ビジネス新聞」の姉妹誌 CRYPTO A.M.にチャールズ・ホスキンソン氏の特集が掲載されました。(個人的に気になって訳した古い記事ですがVasilハードフォーク前なので復習に♪)
以下は記事の翻訳となります。(省略・意訳含む)
2021年は流通しているすべての暗号通貨にとってビッグイヤーであったと言えるが、カルダノほど脚光を浴び、成功を収めたものはほとんどない。
そのネイティブADAトークンは9月に3.10ドルという驚くべき史上最高値に到達しただけでなく、Alonzoハードフォークが実行され、dAppsとNFTの繁栄する環境の下地が見事に作られた。
多くのプロジェクトリーダーは、翌年もそのレベルの成功に酔いしれていただろうが、Cardanoの創設者Charles Hoskinsonと仕事をしたり知っている人達は、彼がその栄光に甘んじることはないと知っていた。
Alonzoハードフォークで乾杯してシャンパンの泡が消える前から、彼の頭の中はすでにカルダノの次の改良で埋め尽くされていた。2022年に向けて実装されるであろうカルダノの次の一連の改良について。
「今年は採用と、より良い、より速い、より安いソリューションの作成、Dappsエコシステムの構築、そしてDappsエクスペリエンスの向上が全てでした」と彼は言う。
「来年はガバナンスです。これは私たちが、より良い、より速い、より安いブロックチェーンの構築を止めるという意味ではありません。各年にはテーマがあり、2022年はガバナンスの年なのです」
多くのADAユーザーやCardanoフォロワーが2021年の最も記憶に残った瞬間を選ぶのは難しいだろうが、Hoskinsonには疑う余地が無い。
「間違いなくAlonzoハードフォーク 」と彼は即座に答える。
「このアップデートは拡張UTXOモデルをもたらし、特にエキサイティングでした。これはビットコインのUTXOモデルとイーサリアムのスマートコントラクトを扱う機能を拡張UTXO(EUTXO)会計モデルに統合し、セキュリティを維持しながらスケーラビリティを向上させます」
「第一世代のブロックチェーンの信頼性を受け継ぎ、プログラマビリティを追加しています」
「そして、私たちが行った作業は次のことを示しています。急速に成長しているDappsと活気あるNFTエコシステム、現在カルダノ上で構築されている1,000を超えるプロジェクトがあることを」
4年前に開発されたブロックチェーンの内部構造のあらゆる細部と側面についてこのようにハッキリと明確に焦点を当てられているので、Hoskinson氏が2022年の決定的な瞬間を知っているのは当然だ。
「1つの重要な瞬間を定義することは常に困難ですが、Vasilハードフォークはかなり重要です」と彼は言う。
「最近亡くなったブルガリアの数学者Vasil Dabov氏にちなんで名付けられました。Vasilハードフォークは、ネットワーク容量とCardanoのスマートコントラクトプログラミング言語Plutusに多数のアップグレードをもたらし、カルダノ分散型アプリケーション(Dapps)の開発を可能にします」
「つまり、一方では大きなスループットの向上が見込まれます。他方では高スループットを必要としない新しいカルダノコントラクトの開発方法が生まれるでしょう」
Dabov氏は個性的な人物であり、カルダノの仲間内で大人気の心優しいおじいちゃんだった。
この才能ある数学者は、自分の情熱を人に教えることに喜びを感じており、その情熱は周囲の人々を熱くするほどだった。
彼の情熱の中でも特に際立っていたのが、イチョウとブロックチェーンだ。
彼は中国原産のイチョウの木をたった一人で1万本以上植えただけでなく、ブロックチェーンという技術にも深い関心を寄せ、教え伝えしました。
最新のアップグレードに彼の名前が刻まれていることは、彼がどれほど評価されていたかを示すだけでなく、「カルダノファミリー」の暖かさの証でもある。
しかし、どんな家族でもそうだが、物事は常に完璧とは限らない。
カルダノのフォロワーは膨大だ。そのコミュニティは、サッカークラブのサポーターと宗教の信奉者の間にあるような熱情を帯びている。
その群衆には、気まぐれな要素もある。応援する声が大きい一方で、ADAの価格の末尾にもっとゼロが付かないことに不満を漏らす否定的な人たちもいる。
ADA以外の何かが1枚数千ドルの価値を持っているという、ある種の権利、または運命というか、そういうものだと考えることは一部の人にとってほとんど理解できないようだ。
ホスキンソンは、このような意見に何度も直面した。しかし、これまでと同様、彼の反応は慎重かつ忍耐強い。
「カルダノが最終的にその価値を確立する最も効果的な方法は、その実用性と、どれだけ人々の役に立つかということです」と、彼は強調する。
「私たちが注目しているのは、取引量などのオンチェーン指標の成長で、これは今も毎月増加しており、非常にポジティブに見えます」
彼はまた、カルダノがどこへ向かっているのかについて、繰り返しメッセージを発していることも知っています。ブロックチェーンを使って到達したい目標の為に取り組む仕事は「技術についてであり、金儲けではない」という声明が過去に何度か放送されたことがある。
これは拍手喝采で迎えられることが多いメッセージだが、万人の心に響かないセリフでもある。特に冷静で慎重なアプローチを、遅くて手間のかかるものと誤解してしまう人たちがいる。
暗号通貨は一般的に、急激な修正と莫大な利益でしか満たされない富への渇望の温床である。
このような「早く儲けたい」「大きく儲けたい」という欲求に駆られた人たちは、どんなデジタル資産であっても必ず不満の渦を巻き起こす。
カルダノがビットコインやイーサリアムといったADAをはるかに超える価格帯を持つ貴族と同じ食卓(暗号通貨のトップテーブル)を囲んだ時から、この感情はカルダノの尾を引いてきた。
疑念を抱く人たちのために、ホスキンソンはカルダノの方向性について彼のナビゲーションノートを公開する。
「私たちは常にカルダノの能力を発揮し、長期的な可能性を実現するために明確で段階的なロードマップを追求してきました」と彼は説明する。
「スケーリングの面でもそれは変わりません。私たちは、ブロックサイズの増加やパイプライン化などに焦点を当てた11項目の計画を発表しました」
記事は以上となります。
11のスケーリング方法についてはこちらのIOGブログ記事をご覧ください。
参考ブログ:
・https://iohk.io/jp/blog/posts/2022/01/14/how-we-re-scaling-cardano-in-2022//
・https://iohk.io/jp/blog/posts/2021/09/17/hydra-cardano-s-solution-for-ultimate-scalability/
・https://iohk.io/jp/blog/posts/2021/10/29/mithril-a-stronger-and-lighter-blockchain-for-better-efficiency/