SPO支援ツールの開発者でありカルダノの多大な貢献者 ”Andrew Westberg” さんによるYoutube解説✨
ちょっと怖いタイトルですが、先日、大手取引所が運用していると思われるプールグループが数日間にわたりブロック生成を停止した事を受けての考察です。以下は動画内のスライドを翻訳した内容となっております。
とその前に、カルダノに一体何が起こったのか簡単におさらいしましょう。
事の発端はカルダノブロックチェーンのチェーン密度が低下したことで発覚しました。
「チェーン密度」(Chain density)はカルダノネットワークの健全性を示す指標です。ブロック係数が0.05、平均ブロック生成間隔が20スロット(秒)の場合、理想的なチェーン密度は約~5%になります。チェーン密度が低いほど、ノードが割り当てられたブロックを生成していないことを意味します。
チェーン密度が低下した直接的原因は?
某大手取引所が運営していると思われるプールグループが、エポック347とその後数日間、完全にブロック生成を停止したことで起こりました。おそらく、プール運営上定期的に行う必要があるKES更新作業を誤った為と考えられています。
対象プールのブロック生成履歴の一例
上図の引用:https://adapools.org
上記のプールグループがブロック生成を停止している間、チェーン密度は減少しミスブロックは増加しましたが、結果としてカルダノブロックチェーンが止まることはありませんでした。しかし、これはカルダノコミュニティに大きなショックを与え、分散化やガバナンスの重要性を改めて我々に問いかける出来事となりました。
ここからは”Andrew Westberg”さんの動画スライド内容です。
カルダノを停止させる方法
⚫︎インターネットのダウン、太陽フレアの発生など(海底ケーブルの切断も)
⚫︎dパラメータを1に変更(Vasilハードフォークでd変更不可能になるまで)
参考)現在 d=0:ブロック生成はIOGやEMURGOノードから完全にコミュニティのステークプールに渡され、ブロック生成は完全に分散化されています。ただし、ネットワーク自体の完全な分散化は各ノードが連合リレー無しで自動で繋がるP2P(Peer to Peer)機能の実装を待っている状況です。
⚫︎他のパラメータが変更されネットワーク停止
・maxBlockBodySize = 0 (2022年7月現在、最大ブロックサイズは88kB)
・maxTxSize = 0
・txFeeFixed = BIG_NUMBER
(最大ブロックサイズを0にしたりトランザクション手数料を大きくすると使えませんよね)
⚫︎SPOノード停止
・treasuryCut = 1.0
⚫︎特定のパラメータを変更することによるスマートコントラクトの部分的な停止
これらの実現可能性は?
⚫︎太陽フレアの可能性が高いような気がする
⚫︎パラメータ変更攻撃
・現状では分散化されていない。7つのキーはすべてIOGが所有している。パラメータ更新には5つのキーが必要(以前はEMURGOやカルダノ財団もキーを持っていたが、現在はIOGが全てのキーを所有しているようです)
・チャールズには自分のライフワークを完全に破壊する動機がない
・不正な社員が何かをするリスクはゼロではない (が)
■これらを処理するDevOps(開発・運用)チームで会った人は非常に信頼できます
■IOGには、それを実現できないような仕組みがあるのだろう
・政府による攻撃
●SPOの攻撃
・ステークの分散化はこれを防ぎます
・昨日、すべてのCoinbaseプールがブロックの生成を停止しました
・あなたのADAを取引所から解放してください!!! 彼らは自分たちが何をしているのか分かっていません
カルダノの回復力を向上させる方法は?
⚫︎ガバナンスの分散化
・下記のチャールズのビデオリンクを参照
⚫︎ステークの分散化
・ブロックを作るグループを増やす (取引所のために運用するプールではなく)
・分散化しすぎると、パフォーマンスだけでなく、プール運営者の財務的安定性にも悪い。SPOが “k “について口論するときはいつも、スイートスポットがどこにあるかについて意見が分かれているか、あるいは、より多くの分散化が常に良いとは限らないことを理解していないだけである。
⚫︎カルダノの価値向上
・プール運営者の財政的安定
・電気代が高くなったり、Bitcoinの価格が下がるとBitcoinのハッシュパワーが下がるように、CardanoのSPOも財務方程式を比較検討する必要がある
まとめ
⚫︎我々はまだ”そこ”に到達していないのか?
・到達していません。しかし、分散型ガバナンスの次の試みは進行中である
⚫︎好むと好まざるとにかかわらず、科学において最適な解決策に到達するために、より多くの試行錯誤が必要だ
⚫︎KtorZは、分散型ガバナンスのための新しいCIPを提案した
⚫︎カルダノは真に回復力を備えていますが、さらに改善することは可能であり、今後もされていくだろう
以上です。
ぜひ動画もご覧になって下さい。
同一管理者による大規模複数プールや取引所プールなどに委任がさらに集中すると、もっと深刻な事態になりかねません。
カルダノが今後もダウンタイム0を継続し、その価値をさらに高めることができるかは、我々一人一人のカルダノに対する深い理解と行動にかかっています。
〜以下、動画のスライド内容写し〜(制作用)
There are a number of ways Cardano could be shut down
●Enough of the Internet goes down,solar flare, etc…
●d parameter is changed to 1
・Only an option to do this until the Vasil hardfork. d goes away!
●Some other parameter is changed that makes the network un-unable
・maxBlockBodySize = 0
・maxTxSize = 0
・txFeeFixed = BIG_NUMBER
●StakePool operators shut down their nodes
・treasuryCut = 1.0
●Partial shutdown of smart contracts by changing certain parameters
How feasible are these options?
●Solar Flare seems more likely to me than I’m comfortable with.
●Parameter Change Attacks
・Currently not decentralized. IOG holds all 7 keys. 5 keys are required to update parameters.
・Charles has no incentive to nuke his life’s work.
・Non-zero risk of a rogue employee doing something.
■Those I’ve met on the DevOps team who handle these things are highly trustworthy.
■I don’t know, but I assume IOG has systems in place to make it un-feasible.
・One company for Government to attack.
●SPO Attacks
・Decentralization of stake prevents this.
・Yesterday, ALL of the Coinbase pools stopped producing blocks.
・GET YOUR ADA OFF OF EXCHANGES!!! THEY DON’T KNOW WHAT THEY ARE DOING.
How to improve Cardano resilience?
●Decentralization of Governance.
・See Charles’video link below
●Decentralization of Stake
・More groups making the blocks
・Too much decentralization is bad for performance as well as financial stability of pool operators. Whenever SPOs bicker about “k”, they’re disagreeing about where the sweet spot is or just not understanding that more decentralization is not always better.
●Increased value of Cardano
・Financial stability of pool operators.
・Just like Bitcoin hash power goes down when electricity gets expensive or the price of Bitcoin goesdown, Cardano SPOs have to weigh financial equations.
・Cardano SPOs more incentivized than Bitcoin miners to keep running during a downturn.
Summary
●Are we “there” yet?
・No, but the next attempt at decentralized governance is in the works.
●Like it or not, some parts of science require more trial and error to arrive at an optimal solution.
●KtorZ has proposed a new CIP for decentralized governance.
●Cardano is REALLY resilient, but improvements could be made and will be made.