共につくる：カルダノの物語 （Building together : the Story of Cardano）

この記事はIOGのYoutube「Building together: the Story of Cardano」を翻訳したものです。

Eric Czuleger
Senior Content Editor,IOG

カルダノブロックチェーンは、中央集権的な当局や政府ではなく、金融、アイデンティティ、情報の力が個人の手にあるという前提の基に構築されました。だからこそ、カルダノ財団、EMURGO、Input Output、そして多くの開発者が一緒になって、コミュニティを中核とするプラットフォームを作り上げたのです。

カルダノはオープンソースツールによって、誰もがグローバルな金融ガバナンスとデジタルシステムにアクセスできる未来を実現するために作られました。ボトムアップによってです。

しかしもちろん、これらの目標を達成することは簡単ではありません。そこで、カルダノが確実に実現できるように、業界を定義する研究と堅牢なエンジニアリングという2つの基盤の上に構築されています。堅牢なカルダノネットワークは、セキュリティがその中心です。このビジョンの中核は、将来を見据えた計画です。つまり、世界の変化に合わせてネットワークが成長し、進化できるように柔軟性を持たせているのです。将来のニーズを満たすために綿密に計画されたカルダノ・ブロックチェーンは、ブロックごとに、一歩一歩着実にスケールアップしています。真に分散化されたカルダノには、ネットワークを強化し、より持続可能な未来を創造しようと打ち込む活発なコミュニティがあります。

1.強固な基盤 Solid foundations

それでは、その基盤を見ていきましょう。

まず、ステーク証明型のコンセンサスプロトコルである「ウロボロス」は、数学的に検証可能なセキュリティを提供するとともに、エネルギー効率、スピード、分散性を高めます。その報酬メカニズムは、検証者と委任者の両方にとって公平であり、その立ち上げ以来、カルダノはブロックをスキップしたことはありません。

第２に基礎研究構築への取り組みです。Input Outputが発表した分散型台帳技術に関する106の査読済み学術論文と組み合わせた学術出版物において1,300以上引用されたことは、その数字が物語っています。研究は応用されなければなりません。カルダノを使用すると研究からエンジニアリング、そして実際のアプリケーションに至るまで、セキュリティと正確性を得ることができます。私たちはゆっくりと着実にレースに勝つと信じています。そして、細心の注意を払いながらも自信を持って一歩踏み出すことで、カルダノは、高い保証と信頼性を備えたプラットフォームを求める企業や機関にとって、最適なプラットフォームとなりつつあるのです。

2.セキュリティ Security

セキュリティはカルダノの基本です。そのため、銀行から航空宇宙まで、正確さと高い保証が絶対条件である業界全体のミッションクリティカル（障害や誤作動などが許されない）なアプリケーションに使用される言語、Haskell（ハスケル）で書かれています。

次に、カルダノのネイティブスクリプト言語であるPlutus（プルータス）があります。Plutusは形式的な方法論を用いて、セキュリティを犠牲にすることなく、ブロックチェーンの高度なスマートコントラクト機能を実現します。これはWin-Winの関係です。そして、まだまだあります…。カルダノの新しいDApp認証フレームワークは、スマートコントラクトの完全なフォーマル検証に至るまで、自動テストをもたらし、さらに物事（開発）を進めます。開発者にとってもエンドユーザーにとっても、素晴らしいニュースです。カルダノを使用すると技術が正しいことを信頼でき、毎回期待通りの結果を出すことができるのです。

3.アップグレード可能 Upgradeable

カルダノのアップグレード性は比類のないものです。ブロックをスキップしたこともなければ、再起動したこともありません。カルダノ独自のハードフォークコンビネーター（HFC）技術により、最小限の影響とゼロダウンタイムでプロトコルレベルのアップデートを可能にしています。そのため、新しい機能が導入されたり、主要なコンポーネントがアップグレードされたりしても、ネットワークが停止することはありません。つまり、開発者、取引所、SPO（他ではバリデータと呼ばれる）にとって、いつも通りの仕事が可能なのです。一方、ウォレットは中断することなくシームレスに新しいプロトコルにアップグレードすることができます。安全でシームレスなアップグレードは、ネットワークが今後数十年にわたって進化できることを意味します。

4.スケーリング Scaling

そして将来を見据えて、プラットフォームはどのように成長を続けるのでしょうか？

カルダノの研究アジェンダ（計画）は2023年から2024年まで継続され、イノベーションを推進し、ネットワークの最適化とスケーリングを可能にします。これにより、新機能が搭載された際の需要増に対応できるよう成長することが保証されます。DAppの効率を向上させ、ネットワークの容量を増やすためのPlutus言語への大幅なアップグレードから、帯域幅、容量、スループットを増やすためのコンセンサスアップグレードまで。歯車はすでに動き出しているのです。

もう一つの画期的なアップデートは、レイヤー2スケーリングプロトコルのHydraファミリーと共にやって来ます。Input Outputによって開発されたこのプロトコルは、高速で安全なオフチェーントランザクションスループットを最小限のコストで実現します。Hydra Headsはオフチェーンのミニ台帳のように機能し、メインチェーンのすべてのセキュリティを、大幅に向上されたスピードとさらに低コストで提供します。

また、相互運用性はカルダノの将来にとって絶対的に重要であるため、Input OutputはEthereumツールとの完全な互換性を提供するオープンソースのEVMサイドチェーンを開発しています。そして、開発者はカルダノのネイティブスピード、回復力、セキュリティのすべてを提供しながら、既存のコードインフラを使ってSolidity DAppをカルダノのエコシステム内にデプロイできるようにしています。dcSpark、Wanchain、SingularityNET、Orbisなどの企業によるクロスチェーンブリッジ、サイドチェーン、zk-Rollupsを追加し、カルダノはそれがつながっているのと同じくらい明るい未来があります。

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5.多機能で進化する言語 A versatile, evolving language

では、カルダノは他のブロックチェーンで使われているモデルをどのように改善するように構築されているのでしょうか。

アカウントベースの台帳モデルは、第2世代ブロックチェーン全体で新しいDeFiサービスを確立しました。しかし、それには限界があります。そこでカルダノは、ビットコインで実績があるUTXOモデルにプログラマビリティを追加し、拡張UTXO（EUTXO）台帳モデルとして、セキュリティを維持しながらスケーラビリティを向上させたスマートコントラクトを提供します。EUTXOでは、メタデータとスクリプトが単一のトランザクションにまとめられ、より大きなスループットを実現します。純粋かつ決定論的なスマートコントラクトスクリプトに支えられて、製品は意図したとおりに動作します。トランザクションの検証がよりシンプルになるため、トランザクションにかかる費用や、トランザクションが失敗した場合に手数料がかからないなど、何が起こるかを予測できます。言うことなし！（What’s not to like?）

カルダノのDeFiエコシステムは急速に成長しており、数十のPlutusベースのプロジェクトがすでにローンチされており、さらに数百のプロジェクトが構築で忙しくしています。NFTマーケットプレイスからDEX、借り入れや貸し出し（borrowing and lending）、ステーブルコインからシンセティックまで、様々なものがあります。

6.イノベーションの実現 Enabling innovation

トークンについて話しましょう。

カルダノでは、代替可能および代替不可能なトークン（NFT）がネイティブに処理されます。したがって、スマートコントラクトは必要ありません。これにより、複雑さが軽減され、開発が簡単になり、新しいユースケースと優れたゲームおよびメタバース体験が可能になります。また、カルダノ上で作成されたトークンはネイティブとして扱われるため、ADAにペグする必要はありません。金銭的価値の有無に関わらず、全く同じように扱われるため、顧客ロイヤルティガバナンスや投票システムなどの強力な報酬メカニズムを構築できます。

例えば、カナダに拠点を置く修復プラットフォームVeritreeは、NFTを利用して修復作業をトラック&トレースして、NFT所有者と樹木を直接つなぎ、樹木の所有権と情報を確認しながら、現場で行われる作業の持続的な効果を観察することができます。このようにして、誰もがそのプロセスを信頼できるのです。

7.開発者教育への取り組み A commitment to developer education

コミュニティが価値を築きます。教育を受けたコミュニティは世界を変えることができます。これこそ開発者教育がカルダノの中心である理由です。そして、カルダノでの構築を始めようとしている人なら誰でも利用できる豊富なオプションとリソースがあります。Input Output Globalは、カルダノのネイティブ開発プラットフォームであるPlutusを使用して探索および構築しようとしている開発者向けに、定期的なトレーニングコースを用意しています。EMURGO Academyは、開発者やその他の関心のある専門家向けにカスタマイズされたコースを通じて、カルダノブロックチェーンとそのエコシステムをより深く理解することができます。すでに数千人が参加しています。また、この急成長する開発者コミュニティをサポートするために、ドキュメントレポからCardano Stack Exchangeまで、コミュニティで構築された開発者向けリソースが多数用意されています。

さらに、金融サービスの専門家向けにカルダノのローコード・スマートコントラクト・ソリューションであるMarlowe（マーロウ）のトレーニングコースもあります。また、Atala PRISM Pioneersプログラムは、DID（分散型ID）とself-sovereign identity（SSI）（自己主権型アイデンティティ：デジタルアイデンティティの管理を自らの手に取り戻すことを目指す）を中心とした新しい商用ユースケースの構築を検討している開発者向けのトレーニングとナレッジベースを提供します。

8.分散型ネットワークとは、献身的なコミュニティを意味する A decentralized network means a committed community

（カルダノブロックチェーンは）世界中に分散する何千ものステークプールオペレーター（SPO）またはバリデーターのネットワークによって保護されています。カルダノは、世界で最も分散化されたブロックチェーンの1つです。これは始まりに過ぎません。Input Output、カルダノ財団、およびEMURGOが協力して、コミュニティ主導のイノベーションとエンゲージメントを促進し強化し続けることで、カルダノネットワークは新たな課題に対応するために進化し続けるでしょう。

9.コアの効率 Efficiency at the core

プルーフオブステーク（PoS）は、インセンティブとしてエネルギー消費を採用していません。カルダノのPoSブロックチェーンは、さらにエネルギー効率を重視して構築されており、他のPoSブロックチェーンよりも少ないエネルギーしか使用しません。SPOは低スペックのハードウェアで、他のブロックチェーンよりも大幅に低い最小ステークでノードを稼働させることができます。非カストディアルステーキングモデルを備えたカルダノは、業界で最高のステーキング体験の1つを提供し、Input Output、EMURGO、およびその他のコミュニティ開発者から複数のウォレットを選択できます。

カルダノが環境にやさしい理由（４コマ）

10.持続可能な未来のガバナンスモデル A sustainable future governance model

持続可能性は、間違いなく環境問題に関連しています。しかし、それはまた未来への明確な道筋をマッピングし、将来の成功のためのフレームワークを作成することを意味します。カルダノはその両方に対応できるように構築されています。コミュニティガバナンスのための健全なモデルは、長期的な革新を目指すブロックチェーンの将来の健全性にとって重要です。オンチェーン投票およびガバナンスモデルを可能にするトークン機能と組み合わせることで、ネットワークが長期にわたって維持および開発され、誰がそれを実行するかを知ることができます。このオープンな野心と目的はカルダノのVoltaireロードマップに組み込まれ、コミュニティの信頼を維持しながら新しい課題に柔軟に対応できるアジャイルプロセスを備えた強固なフレームワークとなっています。

11.道を切り開く Leading the way

カルダノはイノベーションに根ざしており、誰がどこにいても人間の潜在能力を引き出すことができるように設計されています。

コミュニティ・イノベーションの中心であるプロジェクト・カタリスト（Project Catalyst）は、真の分散型エコシステムを育成するというこの継続的な取り組みを象徴しています。また、資金調達、ガバナンス、スケーリングの権限を与えられた持続可能な環境を育成することの重要性を示しています。問題に取り組みたい人なら誰でも参加でき、課題を提出し、多様な参加者のエコシステムから提案を募ることができます。カルダノ自身のトレジャリーから資金を調達するCatalystの範囲は、ビルダーの野心と想像力によってのみ制限されます。現在までに、コミュニティが構築するAPIから分散型医療情報システムまで、あらゆるものに資金が提供されています。Project Catalyst Fund 9はコンセンサスで開始され、1600万のADAが提案に分配されます。提案したいアイデアがある人も、解決しなければならない課題がある人も、ぜひ参加してください。

カタリスト（４コマ）

これがカルダノです。業界を定義する研究と綿密なエンジニアリング。イノベーションとコミュニティガバナンスを継続するための強固な基礎とロードマップ。シームレスなアップグレードパスを持つ高度に分散化されたネットワーク。これらはすべて、金融、ID、商取引などのイノベーションをサポートするために構築されています。今のために。未来のために。そして世界のために。カルダノは共に築きます。